糖尿病性ED(勃起不全)の原因と治療法|再生医療による新たなアプローチ | 東京でエクソソーム・再生医療・幹細胞治療なら青山レナセルクリニック                
カテゴリ:糖尿病治療

糖尿病性ED(勃起不全)の原因と治療法|再生医療による新たなアプローチ

監修医

院長 麻沼卓弥 医師

日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会専門医。
2012年より東京女子医科大学病院糖尿病・代謝内科助教など歴任。
2022年1月、青山レナセルクリニック院長に就任。
幹細胞再生治療を通じ、国民病で万病の元である糖尿病の根治に取り組んでいる。

糖尿病は多くの健康上の問題を引き起こすことが知られており、その一つに性的機能障害、特にED(勃起不全)があります。糖尿病性EDは、糖尿病患者の間で一般的に見られる問題で、生活の質に大きく影響を及ぼします。

しかし、幸いなことに、現代医学にはこの状態を管理し、改善するための多くの治療法が存在しています。

本記事では、糖尿病患者がEDになりやすい理由、糖尿病性EDに対する最新の治療法などを解説します。

糖尿病になるとED(勃起不全)のリスクが高まる

糖尿病は、体内でインスリンの分泌不足や機能障害が起きることによって、血液中の糖分濃度が異常に高まる病状です。通常、空腹時血糖値が126mg/dl以上、またはHbA1cが6.5%以上の場合、糖尿病の可能性が高いとされています。

さらに、糖尿病はED(勃起不全)との関連が高いとされています。EDとは、性交時に十分な勃起が得られない、または勃起を維持できないために満足な性交が行えない状態を指し、性的機能障害の一つとされています。

実際に、東京大学の論文でも、ED男性の90%は糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満の傾向があると発表されています。

糖尿病患者がEDになりやすい理由

ではなぜ、糖尿病患者はEDになりやすいのでしょうか。ここでは、糖尿病患者がEDになりやすい理由を3つ解説します。

神経障害

糖尿病患者がEDになりやすい理由の1つ目は、神経障害です。

糖尿病による長期間の高血糖状態は、体内の神経系統に悪影響を及ぼし、特に性的反応に関わる神経の働きが低下することがあります。

性的興奮は、脳からの信号がペニスの血管に伝達されることで勃起を引き起こしますが、糖尿病による神経障害はこのプロセスを妨げ、適切な勃起が得られない状態に陥る可能性があります。

また、神経障害は感覚の減退も引き起こし、性的刺激に対する反応が弱まることもあります。

海綿体の機能不全

糖尿病患者がEDになりやすい理由の2つ目は、海綿体の機能不全です。

海綿体はペニス内にある組織で、性的刺激によって血液が流入し、勃起を引き起こす重要な役割を担っています。しかし、糖尿病の慢性的な高血糖状態は、海綿体の血管に損傷を与えることがあり、これが正常な勃起を阻害します。

血糖値のコントロールが不十分な場合、海綿体への血液の流入が十分でなくなり、それによって勃起が不十分になるか、まったく得られなくなることがあります。

また、高血糖は海綿体内の滑らかな筋肉組織にも影響を及ぼし、これが勃起の品質を低下させる一因となります。

動脈硬化

糖尿病患者がEDになりやすい理由の3つ目は、動脈硬化です。

糖尿病による持続的な高血糖は、血管の壁に損傷を与え、動脈硬化を引き起こす可能性があります。

動脈硬化は血管の柔軟性を低下させ、血流の制限を引き起こすため、ペニスへの血液の流れが妨げられます。そして、勃起はペニスの海綿体への十分な血液供給に依存しているため、動脈硬化は勃起を困難にします。

特に、ペニスの細い血管は動脈硬化の影響を受けやすく、これがEDのリスクを高める要因となります。

また陰茎の動脈は脳の血管経と同様という報告もあり、EDを認める患者さんは他の心血管疾患も評価することを推奨します。糖尿病患者は全体的な血管の健康に注意を払う必要があります。

糖尿病性EDの診断基準

糖尿病性EDの診断には、血糖管理の指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)の値や、糖尿病を患ってからの期間などが考慮されます。

糖尿病とEDは併発しやすいことが知られているため、糖尿病患者の方で、中折れや十分な硬さが得られないなどの自覚症状がある方は、糖尿病とEDを併発していると考えられます。

そのため、このような症状が少しでも見られる場合は、糖尿病性EDの可能性を疑い、医師の診断を受けることが重要です。

糖尿病性EDの治療法

続いて、糖尿病性EDの治療法を4つ解説します。

【既存の治療法】 

治療法①:血糖コントロール

糖尿病性EDの治療法の1つ目は、血糖コントロールです。

糖尿病による高血糖状態は、長期にわたって血管や神経に損傷を与え、これがEDの直接的な原因となり得ます。したがって、血糖値を適切に管理することは、これらの損傷を最小限に抑え、EDのリスクを減らすために不可欠です。

血糖コントロールは、食事の管理、定期的な運動、必要に応じた薬物治療などを通じて行われます。また、血糖コントロールは糖尿病の他の合併症を防ぐうえでも極めて重要であり、全体的な健康状態の向上にもつながります。

 

治療法②:ED治療薬の投与

糖尿病性EDの治療法の2つ目は、ED治療薬の投与です。

血糖コントロールだけでは改善が見られない場合、ED治療薬の投与も選択肢に入ります。

ED治療薬はペニスの血流を改善し、勃起を促進するために設計されています。主に、PDE5(フォスホジエステラーゼタイプ5)阻害薬と呼ばれるクラスの薬剤が使用されます。PDE5阻害薬は、ペニスの平滑筋の弛緩を促し、血液の流入を容易にし、勃起を促進します。

しかし、ED治療薬の使用にあたっては、患者の全体的な健康状態や、使用中の他の薬剤との相互作用を考慮する必要があります。特に心血管疾患がある場合や、一部の薬剤との併用は危険を伴うことがあるため、医師の指導のもとで安全に使用することが重要です。

また、ED治療薬は糖尿病性EDの症状を緩和するものの、根本的な血糖コントロールや生活習慣の改善も並行して行うことが、長期的な健康管理と症状の改善には不可欠です。

 

治療法③:陰茎注射

糖尿病性EDの治療法の3つ目は、陰茎注射です。

血糖コントロールとED治療薬で改善されない場合(もしくは経口ED治療薬が服用できない)は、陰茎注射の検討が必要になります。

陰茎注射は、直接陰茎の海綿体にペニスの血管を拡張させて血流を増加させる薬剤を注射することで勃起を促進します。

陰茎注射は、多くの患者にとって初めは怖いと感じるものですが、医師の適切な指導と練習により、自宅で安全に自己注射を行うことができるようになります。

ただし、陰茎注射は過剰な勃起や陰茎への損傷のリスクもあるため、正確な使用方法の習得と医師の定期的なフォローアップが必要です。

【再生医療】 

治療法④:ED再生治療

糖尿病性EDの治療法4つ目は、再生医療です。

再生医療を用いたED治療は、近年新たに注目を集めており、国内では主に2つのED再生治療が提供されています。

1つは幹細胞再生治療。幹細胞再生治療とはご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、培養した細胞を点滴投与する治療です。点滴により、幹細胞が全身を巡る中で、髪の毛、肌、内臓など、あらゆる箇所に効果を発揮します。そのため、糖尿病の基礎疾患の改善と併せて、ED改善に対する効果が期待できます。これは幹細胞の持つ神経の損傷を修復する作用や血流改善効果によるものです。

2つ目は、乳歯歯髄由来幹細胞培養上清エクソソームを海綿体にダイレクトに投与する治療です。

幹細胞培養上清エクソソームには、幹細胞を抽出する体内の部位によって、脂肪、臍帯、骨髄などの由来がありますが、当院の乳歯歯髄由来培養上清エクソソームは、ED再生治療に重要な神経の修復作用に最も優れているとされており、先に述べた幹細胞と同等の神経修復作用及び血流改善効果が期待できます。

なお、現在日本では幹細胞を陰茎に直接投与する治療は認可されていない為、当院では幹細胞の点滴+幹細胞培養上清エクソソームの局所投与を併用したED再生治療を提供しております。これらの再生医療を用いたED治療は、薬剤の弊害や副作用もなく、一過性ではない根治を目指すアプローチであることも大きな魅力です。

また、当院では幹細胞再生医療と培養上清エクソソーム療法を併用した糖尿病治療を提供しており、EDの合併症に悩む40〜50代の患者様が多数来院しておりますが、糖尿病治療の過程でEDが改善された症例も複数ございます。

また、エクソソームの海綿体への局所投与を求める高齢の患者様も数多く、中には何十回も投与されている80代の患者様もいらっしゃいます。

ED再生治療については、下記の動画で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

糖尿病性EDに関するよくある質問

ここからは、糖尿病性EDに関するよくある質問に回答します。

質問①:糖尿病になると性行為ができなくなるんですか?

糖尿病患者全員が性行為ができないわけではありません。糖尿病性EDを発症した方は、場合によっては性行為が物理的に難しくなります。

質問②:糖尿病性EDの治療は保険適用されますか?

糖尿病性EDの治療は保険適用外です。ED治療が保険適用となるのは、不妊治療のうち条件を満たした場合に限ります。

質問③:糖尿病の人と性行為をすると糖尿病はうつりますか?

そもそも糖尿病は、細菌やウイルスが感染して起こる病気ではないため、糖尿病は性行為では移りません。

まとめ:糖尿病性EDを完治させよう

今回は、糖尿病性EDについて解説しました。

糖尿病性EDは、糖尿病患者にとって深刻な問題であり、生活の質に大きな影響を及ぼす可能性があります。ですが、糖尿病性EDの治療法は幅広く存在するため、医師と相談しながら適切に治療を進めることで、糖尿病性EDの影響を最小限に抑え、改善することも可能です。

本格的な高齢化社会を迎えた現在、末永く充実した性生活を送りたいという高齢者のニーズが高まっており、当院としても再生医療による男性機能の回復に対して真摯に取り組んでおります。

糖尿病性EDに悩んでいる方は、本記事を参考にして、ぜひ糖尿病性EDの治療を始めてみてください。

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2023年12月8日現在
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