人間の皮膚は、角質層を含む表皮・真皮層・皮下組織(皮下脂肪層)の3層で構成されています。

人間の皮膚は、角質層を含む表皮・真皮層・皮下組織(皮下脂肪層)の3層で構成されています。
コラーゲンは、真皮の70~80%を占める最も重要な要素です。
20種類のアミノ酸が50個以上結合した鎖状の物質が3重のらせん状に絡まりあった構造をしており、このコラーゲン同士が橋のように繋がって、「コラーゲン繊維」と呼ばれる強固な繊維状のたんぱく質を形成し、このコラーゲン繊維同士を結ぶ橋のような化合物を「架橋(かきょう)」と呼びます。
コラーゲン繊維は真皮層内に網目状に規則正しく張り巡らされており、ピンと張った状態を保つことで肌にハリを与え、表皮と皮下組織を支えています。
エラスチンは、真皮の5%程度を占める伸縮性や弾性に優れた弾性線維で、「柱」であるコラーゲン線維をとりまくように存在します。
指で押したときに跳ね返る「バネ」のように、肌の弾力性の維持に重要な役割を担っています。
コラーゲンとエラスチンの隙間を埋める高分子多糖類の一つで、たった1グラムで500~600mgもの水分を抱え込むことにより、お肌に保湿・弾力・柔軟性をもたらします。
体内の細胞をみずみずしく潤し、ハリ感をもたらす成分として優れた働きを発揮します。
人間の肌は、真皮層及び皮下組織の両方で細胞の減少に伴う加齢性変化が生じますが、その主なメカニズムは以下のとおりです。
肌を構成する3大要素であるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を産生し、肌の若さを維持する上で欠かせない存在である真皮線維芽細胞は、真皮内の幹細胞(真皮幹細胞)が分裂して分化することで作られています。
しかし、生誕時には体内に約100億個存在していた幹細胞は加齢とともに激減し、50才前後になると50分の1しか残っていないと言われていますので、幹細胞の減少は線維芽細胞の減少にも直結します。このため、線維芽細胞は20代を過ぎた頃から急激に減少し、50才を過ぎる頃には約1/3まで減少してしまいます。
加えて、紫外線やストレス活性酸素などのさまざまな影響により線維芽細胞が死滅し、肌の機能が低下し衰退していきます。
つまり、真皮幹細胞の減少により年々不足する線維芽細胞を補充できなくなる上、線維芽細胞自体の機能が低下するため、肌にとって本来必要なコラーゲンなどの産生が追いつかなくなる結果、真皮層が空洞化し、ハリや弾力、潤いが失われて肌が老化するわけです。
さらに、線維芽細胞の減少により、古くなったコラーゲン繊維の分解を担うコラゲナーゼの分泌も滞るため、老化した余分な架橋がどんどん蓄積され、コラーゲン繊維同士の結びつきが強まり過ぎて真皮が硬くなり、これが表皮の乾燥をもたらします。
すなわち、肌の老化
= 真皮線維芽細胞の減少
であり、元を正せば幹細胞の減少に
起因するわけです。
若々しい肌を保つには、真皮の中で活発に働ける
線維芽細胞の補充が
必要不可欠です。
真皮幹細胞と同様に、加齢により、皮下組織内の脂肪幹細胞の減少や機能低下により、脂肪細胞への分化能が劣化し、皮下脂肪が減少します。
また、コラーゲンネットと呼ばれる脂肪細胞を支えているネット状のコラーゲンが加齢に伴い脆弱になることで、脂肪細胞を支える力が弱まり、たるみの原因となります。
さらに、加齢とともに、顔の骨や骨密度が減少し、小さくなります。これにより、筋肉や皮下脂肪、真皮、表皮を支えられなくなり、たるみやシワが発生します。
これらの複合的な要因によって、いわば肌の深部の土台そのものが崩れるわけですから、その影響は上部組織である真皮層や表皮に及ぶことは必至です。