幹細胞肌再生治療
本治療の特長
患者様ご自身の腹部から脂肪組織を採取し、幹細胞を抽出して増殖させ、肌に移植する治療で、肌全体の加齢による
変化を根本的に改善する効果が期待できます。
移植された幹細胞は、真皮層の線維芽細胞や皮下組織の脂肪細胞など肌を構成する主要な細胞への分化、幹細胞が分泌する数百種類の多様な成長因子・エクソソームによる血流改善や炎症抑制、細胞の活性化など、複合的な作用を通じて肌全体をトータルに再建します。
特に、深いしわやほうれい線、目の下のクマなど真皮線維芽細胞だけでは修復困難なお悩みに対して優れた効果を発揮します。つまり、幹細胞は肌再生におけるオールラウンドプレーヤーなのです。

期待される作用とメカニズム
1.皮膚を構成する各細胞への「分化」
幹細胞個有の特殊な能力は、体内のあらゆる細胞に分裂することができる「分化能」です。
皮膚内に移植された幹細胞は、真皮層では、加齢とともに激減する線維芽細胞に分化することでコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの皮膚の弾性と潤いを維持する成分を産生し、正常な肌の代謝サイクルが復活します。いっぽう、加齢に伴う脂肪の減少や骨格の変化により崩れた皮下組織内においては脂肪細胞に分化することで、皮膚の厚みが回復し、上部組織である真皮層や表皮を支えるハリや弾力が復活します。

2.多様な成長因子・エクソソームの分泌
「分化能」と並ぶもう一つの幹細胞の優れた特性は、数百種類もの成長因子、例えば、血流改善を促進させるVEGF、肌のターンオーバーを促すHGF、全身の細胞の分裂や遊走に不可欠なEGF、線維芽細胞の増殖因子であるFGFや細胞間の情報伝達物質であるエクソソームなどを移植された皮膚内で分泌することです。
この結果、幹細胞が分泌するこれらの成長因子やエクソソームのトータルな働きにより老化した細胞が活性化し肌の本来の機能が改善します。
3.コラーゲンなど肌の主要成分の産生
実は、幹細胞自身が真皮線維芽細胞と同等以上のコラーゲン産生及びコラーゲン繊維形成能を有していることが明らかになっています。
つまり、幹細胞は線維芽細胞への分化による作用のみならず、幹細胞自身が直接、真皮層内のハリや弾力、潤いの回復を通じたシワやたるみの改善を担っているのです。
治療の流れ
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診察・カウンセリング / 血液検査
医師が患者様のお悩みの部位についてカウンセリングを行い、治療計画を策定し、
本治療の流れについてご説明します。
治療にご同意頂いた場合、感染症検査(6項目)のための採血を行います。 -
脂肪組織採取 / 採血
患者様の腹部の臍の脇からパチンコ玉位の脂肪組織を採取し、同時に初回治療に必要な分量(100cc程度)の採血を行います。
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細胞抽出及び培養
採取した組織と血液は、ただちに提携している大手培養施設に移送され、
(約4週間後)
採取した脂肪組織から幹細胞を抽出して培養し、治療細胞数10~20億個分の若い細胞を
半永久的に品質が劣化しない液体窒素タンク内でストックします。
※培養には4週間程度要します。 -
基礎治療(初回)/ 細胞移植 ①
約10,000倍以上に増殖させた幹細胞を、しわ・たるみ・目の下のクマ・ほうれい線など
(1~3か月後)
気になる部位の真皮層に、医師の手技により極細の針を用いて移植します。
1回の移植細胞数は5,000万個~1億個がスタンダードです。 -
基礎治療(2回目)/ 細胞移植 ②
移植した幹細胞の生着率を高めるため、あまり時間を空けずに1回目の移植と同じ部位に、
2回目の移植を施行します。当院では、幹細胞による皮下組織の再生や血流改善を含めた肌全体のトータルな再生に加えて、肌のハリ・弾力・潤いを維持するために最重要な線維芽細胞を同時に移植することで、2つの細胞の作用の相乗効果を追求する「W移植治療」をお奨めします。
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アフターフォロー(定期検診)
移植から1か月後、3か月後、半年後にご来院頂き、医師が治療効果を検証します。
(アフターフォロー後) -
追加治療(メンテナンス)
基礎治療(2回)において移植した細胞は、皮膚の組織内で数年間は活動し続けますが、
若さを維持するために、1年~1年半に一度の頻度で、ストック細胞を培養し、
気になる部位に追加移植(メンテナンス)を施行することをお勧めします。
~青山レナセルクリニック発~
肌の再生医療革命

W移植治療とは
本治療は、真皮線維芽細胞と脂肪由来間葉系幹細胞、この2つを同時に肌に移植することによる
相乗効果を最大限に追求するものです。
これらの細胞は単体の移植でも十分な効果が期待できますが、2つの細胞には高い親和性があり、
線維芽細胞は脂肪由来幹細胞との共存により活性化され、コラーゲンやヒアルロン酸の産生能が顕著に増強されることが報告されています。
このため、移植された線維芽細胞による肌のハリ・弾力性や潤いの改善効果が一層高まる上、幹細胞しか持ちえない特有の作用により皮下組織の修復や血流改善効果を通じて、まさにトータルな肌再生が完結します。
<参考>
W移植治療のアプローチ例
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深いほうれい線
真皮だけでなく皮下組織の脂肪の減少や萎縮が進んでいる場合には、線維芽細胞移植による真皮のハリ、弾力の改善では根本的な改善は
極めて困難です。
喩えると、凹凸の激しい土台の上を覆っている布だけをピンと張らせたところで、土台の歪みを隠せないのと同じです。このような深いほうれい線やたるみには
W移植による土台と布の両方の
再生が効果的です。 -
目の下のクマ
目の下の真皮は厚さが約0.4ミリと体内で最も薄い部位で、毛細血管が非常に集中しています。このため、血行が悪くなると、
薄い真皮層の下に黒ずんだ血管が透けて見えるのです。起床時や夕方に目の下のクマが目立つのは血流が悪くなっているからです。従って、線維芽細胞移植に
より薄い真皮層にハリを持たせると同時に、
幹細胞の血管新生作用により根本から
真皮や皮下組織内の血流改善を図ることが
最善の方法です。 -
上まぶたのくぼみ、
目の下のたるみ上まぶたのくぼみや目の下のたるみの主な原因は、眼窩脂肪と呼ばれる眼球周囲の脂肪の萎縮や移動にありますので、真皮線維芽細胞の移植によるハリ・弾力の改善と同時に幹細胞の移植による皮下組織の再建が不可欠です。