【当院の糖尿病再生医療の実例紹介①】再生医療を用いた軽度糖尿病患者の臨床例 | 東京でエクソソーム・再生医療・幹細胞治療なら青山レナセルクリニック                
カテゴリ:臨床例, 糖尿病治療

【当院の糖尿病再生医療の実例紹介①】再生医療を用いた軽度糖尿病患者の臨床例

監修医

院長 麻沼卓弥 医師

日本内科学会認定内科医、日本糖尿病学会専門医。
2012年より東京女子医科大学病院糖尿病・代謝内科助教など歴任。
2022年1月、青山レナセルクリニック院長に就任。
幹細胞再生治療を通じ、国民病で万病の元である糖尿病の根治に取り組んでいる。

今回は、軽度糖尿病患者が再生医療によって回復の傾向を見せた3名の臨床例を紹介します。

1人目の患者様情報

名前:I.T様
性別:男性
年齢:50代
身長:170cm
体重:62kg
BMI:約21.4kg/㎡
飲酒:有
喫煙:無
家族歴:不明

I.T様に対する麻沼院長の丁寧な初回カウンセリング

来院の経緯/背景

YouTubeで公開している糖尿病モニター動画にて当院を知っていただき、広島県在住のI.T様の妹様からご連絡をいただきました。

当時I.T様が糖尿病の治療を何も受けられていない状態を心配された妹様がご連絡をいただいたきっかけだったそうです。

※妹様がご覧になられたYouTubeの動画がこちら
<第1期モニター募集終了>【糖尿病再生医療】恐ろしい合併症を防ぐ最先端の幹細胞治療 – 「ASATAKU道場」モニター募集

治療開始後からの経過

40歳ごろに2型糖尿病を発症した患者様です。経口血糖降下薬(注1)の使用はなく、HbA1cは6.8~7.9%で推移。既往歴に関しては特記事項はありませんでした。

2023年4月4日に当院を受診され、脂肪採取を実施。また、同日に採血も行いましたが、インスリン分泌能は保たれており、合併症の症状も認められませんでした。

問診を行ったところ、飲酒量・機会が多く、リブレ(注2)での検査でも散発的に高血糖が認められました。
(参照:血糖値変動を見える化し糖尿病の日常の自己管理をサポートする「リブレ」

また、主食がカップ麺やうどんなど血糖上昇しやすい食事であり、間食(ポテトチップスなど)が多かったため、食事指導を行いました。加えて、飲酒量を減らすように指導しました。

そして、2回目の診察では、自己脂肪由来幹細胞(注3)(以下、幹細胞と表記)2億セル、培養上清(注4)20mlの持続静脈注射(以下、注射と表記)を実施。I.T様からは、寝付きの良さや、スッキリした感じがあったと感想をいただきました。さらに、3回目の診察では、幹細胞1億セル、培養上清の注射を、4回目の診察では幹細胞1億セル、培養上清の注射を行いました。

幹細胞を合計4億セル投与した後、同年9月8日の採血では、HbA1cが6.5%(−0.6%)、空腹時血糖が134mg/dL、GAが16.8%(−1.5%)、FGM(注5)平均グルコース値が159mg/dL(−41mg/dL)、推定HbA1c(注6)が7.1%(−0.8%)、TIR(注7)が74%(+29%)と、数値に改善が見られました。


(注1)経口血糖降下薬:2型糖尿病において血糖値を正常化させる目的で処方される内服薬の総称。
(注2)リブレ:血中のグルコース値を測定する装置。正式名称は「FreeStyleリブレ」
(注3)自己脂肪由来幹細胞:人間の脂肪の中にあり、間葉系幹細胞に属する幹細胞。 多分化能、自己複製能、免疫調整の機能があり、脂肪や血管などを作る。
(注4)培養上清:幹細胞を培養増殖するために利用した溶液の上澄み。
(注5)FGM:フラッシュグルコースモニタリング(FGM)の略。リブレを使用して、連続的に血糖値をモニタリングする方法。
(注6)HbA1c:赤血球内のヘモグロビンと血糖とが結びついた「糖化ヘモグロビン」が、血液中にどの程度存在しているのかの割合を示す指標。過去1~2ヶ月の数値が反映される。
(注7)TIR:FGMにおける血糖変動の範囲を70mg/dl〜180mg/dlに設定したときに、この範囲で血糖が推移している時間の割合。


I.T様には肥満状態もなく、インスリン抵抗性(注8)は著明ではないものの、経過観察中に運動量を増やしたとI.T様から報告があり、改善に寄与していることが考えられました。また、再生医療についての影響は、肥満状態ではないももの体重低下もしておらずカロリー制限や糖質制限による血糖改善効果ではなく、非肥満状態のインスリン抵抗性の改善も考えられました。


(注8)インスリン抵抗性:膵臓からインスリンが血中に分泌されているにもかかわらず、標的臓器のインスリンに対する感受性が低下し、その作用が鈍くなっている状態。インスリンの効き具合。


効果

I.T様の体感として、これまでは睡眠が浅く寝つきが悪かったが、治療開始後からは夜ぐっすり眠れるようになり朝の調子もとても良くなったと実感していただいております。

数値の変化

主な数値の変化

  • HbA1c:7.1%→6.5%(−0.6%
  • FGM平均グルコース:200mg/dL→159mg/dL(−41mg/dL
  • 推定HbA1c:7.9%→7.1%(−0.8%
  • TIR:45%→74%(+29%

その他の数値の変化

I.T様への今後のアドバイス

今回、幹細胞や培養上清による改善もあったと思いますが、運動量の増加も改善の一因であったと思います。

また飲酒量が多く、散発的な高血糖も認められているため、今後も節酒を心がけていただくと数値の改善が見込まれると思います。現在、内服は必要ないと思いますが、今後増悪時に適切なタイミングで経口血糖降下薬を使用するようにしましょう。

2人目の患者様情報

名前:K.C様
性別:男性
年齢:50代
身長:168cm
体重:59kg
BMI:約20.9kg/㎡
飲酒:無
喫煙:無
家族歴:母が糖尿病、父が胃がん

K.C様のリブレセンサー装着データを麻沼院長と土屋理事が徹底分析

来院の経緯/背景

K.C様がご来院されたのは2023年3月末ごろ。

毎年、人間ドックを受診されていましたが、その度に血糖値の数値が上昇しており食事制限や、通勤時のウォーキング等の簡単な運動を実行していたにもかかわらず、全く数値の改善ができない状況が続いていました。

そのためこれまでの治療の継続をしても、らちが明かないと考えられ再生医療による治療を検討するためにインターネットや書籍などにより情報を集めていたところ、当院のモニター募集動画をインターネットで見つけたとのことでした。

通常であれば1回あたり200万円以上の費用がかかるところ、約3回で150万円以下で治療を受けることができると知り、治療を受け始めるまでは不安だったそうですがこれはチャンスと感じられて申し込んでいただきました。

幹細胞2億セル+培養上清20mlを静脈注射(点滴)により投与するK.C様の様子

治療開始後からの経過

2023年1月ごろに、糖尿病の診断をされた患者様です。2019年頃はHbA1c6.0%で、以降はHbA1c6.1~6.8%で推移。ご本人に肥満歴はありませんが、糖尿病家族歴があります。

2023年3月11日に臍側部から脂肪採取及び血液検査を行ったところ、インスリン分泌は概ね保たれており、脂質異常や肝機能異常、合併症も確認されませんでした。

まずは、食後の血糖スパイク(注9)を減らし、TIRの割合を増やすことを目標としました。食事指導としては、GI(注10)の意識、緩やかな炭水化物制限を指導しました。

2回目の診察では、幹細胞2億セル、培養上清20mlの注射を実施。K.C様からは、疲れにくくなったと感想をいただきました。3回目の診察では、幹細胞1億セル、培養上清20mlの注射を実施。同日に行った採血では、HbA1cとGA(注11)の数値に低下が見られました。


(注9)血糖スパイク:食後の血糖値が急上昇と急降下を起こす状態。
(注10)GI:食後血糖値の上昇を示す指標。
(注11)GA: GA(グリコアルブミン)の略。血液中の血清アルブミンに、血液中のブドウ糖が結合したもの。


3回目の診察後は、週3回程度の運動指導、炭水化物量、カーボラスト、タンパク質摂取量に関する食事指導を行いました。そして、4回目の診察では、幹細胞1億セル、培養上清20mlの注射を実施。幹細胞投与後、FGMを2023年6月25日から7月8日まで装着し、7月29日に採血を行ったところ、平均グルコース値は125→119mg/dL、推定HbA1c値は6.3→5.5%、TIRは91→97%に改善が見られました。また、血液検査でも、HBA1cが5.9%→5.5%、GAが14.8 →14.5%と、改善が見られました。

インスリン分泌能の評価は食後であるため困難ではありますが、食後でインスリンの分泌は下がっているため、インスリン抵抗性の改善も示唆されました。

今回、食事療法、運動療法、幹細胞投与、培養上清によりBMIは22.0kg/㎡以下で、腹囲も少なくインスリン抵抗性の存在は否定的でありましたが、血糖改善効果も認められました。

効果

本人の体感的に感じた効果はあまりなかったようですが、リブレや血液検査の数値的な推移で効果は実感していただけました。特に、1回目の投与後と比較して2回目の投与後は、血糖値の上昇を確実に抑えられたと思います。また、運動習慣の変化や、食習慣の変化も改善に寄与していると考えられました。

数値の変化

主な数値の変化

  • 血糖値:182→119mg/dl
  • リブレ平均グルコース:125→119mg/dl
  • リブレ推定A1c:6.3→5.5%

その他の数値の変化

K.C様への今後のアドバイス

今回の再生医療を受けたことで、これまで以上に自分の体と向き合う、良いきっかけになったと思います。

ただ、ご自身の目標(NGSPで5.9%またはJDSで5.5%)を達成できなかったことは気にされていたので、K.C様の目標を達成するために当院も数値改善に努めさせて頂きます。

3人目の患者様情報

名前:I.M様
性別:男性
年齢:40代
身長:178cm
体重:81kg
BMI:約25.5kg/㎡
飲酒:無
喫煙:無
家族歴:不明

麻沼院長に自身の病状や悩みを相談するI.M様

来院の経緯/背景

I.M様がご来院されたのは2023年2月中旬ごろ。

最初の糖尿病の発見は35歳で、若年発症の2型糖尿病患者様です。

ご本人としては少しでも健康で長生きしたいと思い、再生医療による治療を検討するためにインターネットなどで検索し探していたところ、当院を見つけていただきました。

その後に電話で理事長の土屋とお話しいただき、モニターの受診を決めていただきました。

治療開始後からの経過

2023年2月9日に他院で実施した採血では、HbA1cが7.9%でした。

同年3月14日に当院初診となり、採血、腹部臍側部からの脂肪採取を行いました。初診時はBG、DPP4阻害薬、SU薬、SGLT2阻害薬を服用しており、降圧薬、心疾患の既往はありませんでした。

同日の問診で、運動習慣は週1~2回(レジスタンス運動及び、ウォーキング)、食事はジュースや果物、野菜ジュースなどの過剰摂取はないものの、食事時間は平日、土日で不規則となっていることが判明。また、初診時には体重が81kg、BMIが25.0kg/㎡を超えていたため、月1〜2kgの減量と週150分以上の運動を指導しました。

2回目の診察では、幹細胞2億セル、培養上清20mlの注射を実施。その後、I.M様から、投与後1週間程度は皮疹があったものの自然消失したとの報告を受けました。その他には、毛量の増加を感じられていました。

3回目の診察では、幹細胞1億セル、培養上清18mlを注射、さらにED治療目的に海綿体に2ml局所投与を実施。4回目の診察では、幹細胞1億セル、歯髄由来培養上清20mlの注射を実施しました。

その後、同年6月23日〜7月26日までリブレを装着し、各数値を測定。3月25日〜31日の装着データと比較すると、推定HbA1cが0.2%のマイナス、240mg/dl以上の高血糖が僅かですが減少し、70-180mg/dl以内の血糖値割合は36%から51%に改善しました。そして、同年7月14日の採血では、HbA1cが−0.7%、GAが−1.5%の改善効果を認められました。

合併症に関しては、随時尿ではありますが、尿中アルブミンの減少が認められました。なお、肥満歴がなく、糖尿病診断年齢が35歳頃であることを考えると、糖尿病の家族歴が濃厚であると考えられました。インスリン分泌能は保たれていましたが、インスリン抵抗性も認められ、幹細胞の抗炎症作用によるインスリン抵抗性改善が効果的であったと考えられました。

効果

治療後に、有害事象は認められませんでした。I.M様は、毛量が増えたことを実感されていました。

数値の変化

主な数値の変化

  • リブレ平均グルコース:183→174mg/dl
  • リブレ推定A1c:8.0→7.8%

その他の数値の変化

I.M様への今後のアドバイス

I.M様は家族歴が濃厚であり、家系、体質的にインスリン分泌機能が低い可能性やインスリンが効きにくいパターンの2型糖尿病の可能性があります。

採血の結果からは、比較的インスリン分泌は保たれていますが、インスリンの効きにくさ(抵抗性)が高い状況です。インスリン抵抗性は、内蔵脂肪による炎症や、運動不足(特に有酸素運動)が原因となりますので、改善のために内蔵脂肪(腹囲<85cm)の管理、そのために運動量の維持・継続をしていきましょう。

まとめ

今回は、糖尿病患者様の中でも比較的軽度の患者様の臨床例をご紹介しました。

軽度な糖尿病ということで治療方法が頭打ちになっており、日々の生活習慣の改善を心がけているものの数値改善がみられていない患者様でも、本記事でご紹介したような再生医療や生活習慣の改善による治療を複合的に取り入れることで改善されていく傾向もございます。

数値改善が見られることでより生活習慣を正す努力や、見直す良いきっかけになる患者様も多くいらっしゃいます。また人によって副次的な効果(毛量が増える、睡眠の質の向上など)を実感されることもございます。

今回ご紹介した患者様は皆様比較的若年で発症されており、このように治療方法が頭打ちになっていた状態のまま年齢を重ねると重症化してしまう可能性があったところでのターニングポイントとなった可能性のある臨床例となっております。

今回の例はあくまでも一例であり、治療効果には個人差があることを認識の上、糖尿病へのアプローチの一つとして、再生医療をご検討いただけますと幸いです。

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