F.Y様は、2001年頃に二型糖尿病と診断され、以後、複数の薬剤で治療を続けていましたが、思うように治療効果が上がらず、この1年間で、HbA1cが7%前後から9.0%まで徐々に悪化したため、危機感を抱いていました。
また、2010年には心筋梗塞を発病し、動脈内にステントを留置しています。
2024年の初来院時には、糖尿病治療薬のグリミクロン40mgとGLP-1受容体作動薬であるバイエッタ5μgに加えて、心筋梗塞再発予防や腎症治療のために合計10種類もの薬剤を服用されていました。
「できれば薬剤や通院から解放され、仕事や趣味を堪能したい」との希望から、薬剤に頼らずご自身の細胞の力で根治を目指す、当院の糖尿病再生医療のモニターに応募されました。
2024年7月5日の初診時の検査では、HbA1cは8.2%でした。
この患者様は体重89キロ、BMI30 で肥満症であるため、皮下注射型のGLP-1受容体作動薬を、現在処方されているバイエッタから、より減量効果の高い最新のマンジャロに変更するようアドバイスしました。
この日に脂肪採取を行い、約2カ月後の9月3日に初回の幹細胞1億セルと当院オリジナルの培養上清エクソソーム15mlを点滴により投与しました。
約1ヵ月後の2024年10月11日に2回目の幹細胞1億セルと培養上清エクソソーム15mlの投与を行いましたが、この日の検査で、HbA1cが6.4%と大幅に改善していることが確認されました。
加えて、特筆すべき点として、糖尿病の合併症の腎症の指標である尿中アルブミン値が、初診時の1453.9mg⇒334.9mgまで大幅に改善していした。
なお、この患者様は、私のアドバイスに従って、GLP-1受容体作動薬を最新のマンジャロに変更した結果、体重が3.5キロ減量し、今後は体重減少に伴う筋力の低下にも注意するよう指導しています。
この患者様の場合には、肥満症で、心筋梗塞の既往歴があるため、動脈硬化症の進行を抑制するためにも、まずは減量が必要と判断しました。
そのため、地元の病院で処方されていたGLP-1受容体作動薬(バイエッタ)から、より減量効果の高い最新のマンジャロに変更するようアドバイスしたところ、3か月間で3.5キロの減量に成功したことは重要なポイントです。
当院の糖尿尿再生医療は、単に幹細胞治療を提供するだけでなく、既存の薬剤の見直しや懇切丁寧な生活指導を行うことが他院にない大きな特長です。
そして、減量と並行して、ご自身の幹細胞と当院オリジナルの培養上清エクソソームが血流改善や炎症抑制に作用し、相乗効果が生じたと考えられます。
また、この患者様は、合併症である重度の腎症の数値が大幅に改善していますが、当院の腎症の患者様の中には、培養上清エクソソームの点鼻治療だけで長年の慢性腎症を完全に克服した90代の病院経営者の事例もあります。
当院では、ヒト・異種動物由来成分を一切含まない最先端の完全無血清培地(AOF培地)のみを使用した当院オリジナルの培養上清エクソソームを製造し患者様に提供しています。この培養上清液には、血流改善を促すVEGFをはじめとする幹細胞が分泌する良質なサイトカインや成長因子が数百種類含まれていますので、腎症に対し優れた効果を発揮していると考えられます。
特にこの患者様は心筋梗塞の既往歴がありますので、幹細胞及び培養上清エクソソーム治療を通じた血流改善による動脈硬化症の抑制効果も期待できます。