私が研修医時代から勤務していた大学病院は日本で初めて「糖尿病センター」を設立したという歴史があり、東京大学と並んで日本でも数少ない「糖尿病内科」の外来を設置していることから、専門性の高い治療を求めて、国内最多数の糖尿病患者さんが来院しています。
実際、私自身も研修医時代から累計すると約5000人もの患者さんを診てきました。その方々の一部には深刻な合併症を発症し、透析導入となった患者様、脳梗塞、心筋梗塞を発症した患者様、足の壊死に至った患者様、同じく合併症である網膜症を併発し失明に至った患者様等がおり、院内の様々な科と連携しつつ、個々の患者様たちと間近に接してきました。
このように、多種多様な症状を抱えている数多くの糖尿病患者様に接することは、とてもやりがいを感じていましたが、大学病院をはじめとする一般の保険診療では、1人あたり数分程度の時間しか割くことが出来ず、充分な生活指導ができないというジレンマを抱えていました。
当院の糖尿病再生医療は自費診療の為、1人1人の患者様に多くの時間を割いてじっくりと向き合い、現在の糖尿病治療では達成が困難な根治の可能性を秘めた再生医療の提供を通じて、個々の患者様の食生活や運動習慣の改善まで、トータルケアを行うことで最高の治療パフォーマンスを提供します。
いっぽうで、糖尿病は一朝一夕で完治する疾患ではない為、ただちに既存の薬物療法を休止することはリスクが高く、理にかなっていません。その為、再生医療での治療過程においても既存の薬剤を服用していただき、症状の改善度合いに応じて減薬、薬剤の見直しをおこないます。
このように、再生医療、既存の薬物療法、食事療法、運動療法を包括的に管理し、糖尿病に対する最高峰の治療メニューを確立したことで、当院には全国から毎月数多くの糖尿病患者様が来院しています。
さらに、2023年10月に国際部を設置したことで、世界各国からの患者様受け入れ態勢が整っています。なお、現時点では自己脂肪由来幹細胞の糖尿病に対する臨床報告は世界的にも限定的です。当院では今後は日本人患者様に留まらず、対象を幅広い人種や国籍の糖尿病患者様に拡大し、それらの臨床事例の成果を世界に向けて発信する所存です