活動報告

 青山レナセルクリニックで開発中の『Renacell Hyper Plasma SPARK™』は、プラズマを人体に照射する機器です。工業用のプラズマ応用機器は、真空中のプラズマだったり、溶接に使う高温プラズマのため、人体に照射できるものではありませんでした。

 近年、半導体の進歩に伴ってパルス幅の狭い高電圧電源の製作が容易になり、人体にプラズマを照射する機器も市販されてきました。しかしながら、プラズマ生成量が十分でなかったり、人体に対して放電したりして安全性に疑問の残るものもありました。

 プラズマは導電性のため、高圧電極が露出していると大電流が流れます。『Renacell Hyper Plasma SPARK™』のプラズマリアクタ (プラズマ反応器)は、構造的に高圧電極が露出していないので、安全性の高いプラズマになります(特許出願中)。

 さらに、従来のプラズマ美容機器の発生するプラズマは、原料ガスとして空気(Air)しか使用できないため、プラズマの作用として殺菌など限定的なものでした。『Renacell Hyper Plasma SPARK™』は、様々なガスのプラズマを発生できるため、目的に応じたプラズマを照射することで、プラズマ医療の可能性を広げるものと考えています。

 東京工業大学沖野研究室( https://ap.first.iir.titech.ac.jp/ )の研究成果を下表に抜粋します。

ガス分子記号特徴用途
空気窒素70%の混合気体、大気のため安価殺菌、ただしオゾンが発生する
水素H2爆発限界4%なので注意を要するCO2分解の可能性あり
ヘリウムHe電離電圧が低くプラズマ化しやすい入手困難
二酸化炭素CO2炭酸ガスとして身近にある殺菌、ただしオゾンが発生する
窒素N2大気の主成分、オゾンが発生しない親水化、細胞活性に寄与
酸素O2支燃性があるため取扱注意殺菌、ただしオゾンが発生する
アルゴンAr電離電圧が低くプラズマ化しやすいヘリウム代替として有望
ガスの特徴

 青山レナセルクリニックでは、安全なガスとして、空気、窒素、アルゴンを使った実験を予定しています。本報告では『Renacell Hyper Plasma SPARK™』のプラズマリアクタでマルチガスプラズマを発生させた様子を掲載しました。

空気プラズマ

二酸化炭素プラズマ

窒素プラズマ

アルゴンプラズマ

 『Renacell Hyper Plasma SPARK™』が生成するプラズマは、大気圧低温プラズマなので、指に照射してもビリビリするような感電や、火傷するような熱さは、全然ありませんでした。

アルゴンプラズマを指に照射した

 今後は、施術前後の皮膚表面の殺菌や培養上清の浸透促進、幹細胞の活性化など、目的に応じたガスの選定、または、ガスの配合を調査していく予定です。

2024年7月7日 (文責 : 青山レナセルクリニック 医工連携室長 金子昌彦 Ph.D. )